2022年度の(2019年度で中学1年生の人が受ける)入試から公立高校入試は大きく変わろうとしています。その中でも注目なのが「推薦入試」と「一般入試」が一つにまとまるということです。つまり公立高校を受験しようとする人は必ず「面接」があり、そのための「自己PR文」も書かなくてはいけません。加えて科目ごとの学科試験ですから、対策しなければいけない項目が今までより多岐に渡ります。
そこで高校入試がどう変わっていき、どのような対策が必要になってくるのかについて、今までの入試対策と比べていきながら考えていけたらと思います。
公立高等学校入学者選抜制度が変わります
公立高校入試(公立高等学校入学者選抜)のあり方を2022年度の入試から徐々に変更していく方針であることが、広島県教育委員会から2019年9月13日に発表されました。変更点は大きく分けると以下の2点です。
- 選抜の内容の改善
- 調査書の改善
詳しくお知りになりたい方は公立高等学校入学者選抜制度について(最新公式発表)[9/13発表分]からご覧になれます。
変更は2023年度の入試から適用されます。つまり2019年度で小学6年生の人から関係のある話ですね。
選抜の内容
これまでの入試制度ではほとんどの場合は「公立高校」で一括りにして対策できていましたが、変更後は「学校単位」でそれぞれ対策をしていく必要が出てきそうです。
広島県の高校入試は現在「選抜Ⅰ」「選抜Ⅱ」「選抜Ⅲ」の3段階で行われています。選抜Ⅰが推薦入試で、選抜Ⅱが一般入試、そして選抜Ⅲが2次募集ですね。このように高校入試は今まで3段階構えで行われてきました。しかし変更後は、入試期間の短縮を図る目的で、「一般入試(仮称)」「2次募集(仮称)」の2段構えになります。
「推薦」という入試形態はなくなる
新聞などの報道機関の見出しには「推薦制度の廃止」というニュアンスに受け取れる文言がありました。間違った言い方ではないのでしょうが、少々誤解を与える表現になっているなと思いました。
推薦入試と一般入試が合体して一つの入試になると考えた方がわかりやすいのではないかと思います。つまり科目別の学力検査に加えて、従来の推薦入試で行われていたような自己PR書や面接による試験も行われるようになります。
学校ごとに対策方法が変わってくる
これまでの公立高校入試では、一部の学校で傾斜配点がありましたが、国語・数学・理科・社会・英語の5教科を受験することは、どの高校を受けるにしろ必須のことでした。当日の学力検査と内申書の比重も県全体で125:130と決められていました。
しかし変更後は学校・学科ごとに試験科目が決められます。さらに特定の科目への傾斜配点と学力検査と内申書の比重も独自に決められるようになります。すでに何校か実施しているところもありますが、学校独自の問題もこれを機にどんどん増えていくのではないかと思います。
この変更によって受験対策の仕方も学校ごとに大きく変わってくるということになります。今まで以上に志望校に合わせた綿密な対策が必要になってきそうです。
二次募集については,セーフティネットの観点から継続する。
今まで選抜Ⅲと呼ばれていた2次募集は、「一般試験までで合格者が定員に満たなかった場合」に実施するという性質自体に変わりは無いようです。ただ選抜方法に関しては学校の裁量による部分が大きくなったんじゃないかと思います。
調査書
いわゆる「内申書」と言われている部分ですね。そのうちの内申点の付け方に関して個人的には嬉しい変更がありました。
今までは1〜3学年までの5段階評価を(主要5教科は2倍にして)合算することで算出していました。しかし、これからは1年〜3年を1:1:3の比重で算出するようになるようです。
また、高校によって「この教科重視しますよ。」とかいうのができるみたいな書き方ですが詳細はわかりません。
広島県は全国的にみても内申点の基準が厳しくて「逆転で巻き返す」ことが非常に難しく、「コツコツ派」が有利なシステムでした。それが少し緩和されて「尻火派(コツコツ派と比較したらこんな表現?)」の人たちにも十分チャンスがあるシステムになると思います。これは個人的に嬉しい変更点だと言いましたが、受験する中学生にとっても嬉しい変更だと思います。
自己表現書の提出が必要
選抜Ⅰでいう「志願理由書」の拡張版だと思いますが、変更後は「一般入試」に統合されるので全ての受験生が自己表現書を書く必要があります。
内申と聞くと5段階評価から計算する内申点に目が行ってしまいがちですが、「学校でこんな委員会活動をしていた」とか「部活で県大会ベスト○に入った」とかもひっくるめて内申です。今までは学校の先生が調査書としてその内容を記入して高校に提出していました。
しかしこれからは学校の先生が調査書に書くのは「名前」「性別」「学習の記録」のみとなります。それ以外の委員会活動や部活動で残した成績などは==自分で自己PR書に記入して==提出しなければいけなくなりました。自分のことは自分でアピールできるようになろうねということなんでしょうが、近年学校の先生の書いた調査書の入力ミスが原因で不合格なんて事件も多いですから、その対策にもなっているのでしょうね。
全員が自己表現書・面接・学力検査を対策する必要がある!
今後公立高校を受験しようとする中学生は「自己表現書・面接」「調査書」「学力検査」が必須の受験対策項目になります。そしてその配点の比重の「基本」は1:1:3です。「基本」という部分を強調したのは学校ごとに傾斜配点を行う場合があるからです。
自己表現書・面接
自己表現書には委員会活動や部活動のこと、要は「自分が何を頑張ってきたのか、これから何を頑張るのか」をアピールする必要があります。以前はこの作業を学校の先生がやってくれていました。しかし変更後は自分の手で書いていかなくてはなりません。
この辺りの書き方は学校の先生が丁寧に教えてくれるとは思います。それだけじゃ不安という方のために自己表現書の書き方という記事を公開予定です。
学力検査
学校ごとに試験科目が違う可能性があるので、自分が受けたい高校の試験科目はしっかりチェックしておく必要があります。
今後の発表は要チェック!
今回の報道発表から読み取れそうなことをツラツラと書きましたが決定事項では無いですし、私の解釈が間違っているかもしれません。なので今後の高校入試関連の報道発表は要チェックで、変更・修正があれば適宜記事を修正していきます。
この変更に合わせて私立高校の入試も変わってくるかもしれませんね。